2006年12月1日金曜日

人形劇で憲法九条署名を訴える

「子どもが戦争に行くことになってはこまります」と会員で署名行動

 11月23日(木)の祝日、新しく出来た南町防災公園において、12人で宣伝を行いました。寒風にもかかわらず散歩やジョギングをする人、体力づくりに励む人、それに子どもたちや赤ちゃんを遊ばせる若いお母さん、子どもと遊ぶお父さんがおられました。

 当日のメインは、日本国憲法九条を広げる人形劇「ジャスミンの爪の垢」でした。マイクで「はじまります」と案内すると、遊んでいた小学生の男の子たちが前の席に陣取りました。若いお母さんも、子どもを遊ばせながらやや離れて見てくれました。会員も半分見ながら半分は通行中の人たちに署名を訴えました。

 人形劇は、あの世で九条の会を結成した源じいさんとお咲ばあさんが、はるばる砂漠の国からやってきた美しい女性ジャスミンにふとしたことで出会い、仲よく九条の会の応援に出かけるというお話。最後はみんなで「青い空は」を歌いながら退場。関西弁で楽しく、手作りの素晴らしい人形で、公演のあと子どもたちは人形と握手をしていました。中には「次の土曜日もやらへんの?」と催促する子までいました。

 その後、公園で署名を訴え、さらに近くの家に組を作って訪問し、27筆の署名が集まりました。若いお母さんは「平和が心配です」とか「男の子が3人いるが将来戦争に行くなどあっては困ります」と署名して、励まして下さいました。次は、12月9日に定例の「九の日宣伝」を行います。年内に800署名を目指します。(事務局長・上田)

 [当会発行『憲法九条だより』第2号(2006年12月1日)から転載]

2006年10月20日金曜日

昔むかし

 昔むかし、ある国の外交をつかさどる大臣が、その国の憲法や政府の方針に反する内容のことを議論すべきだと発言し、国会で追求されました。それに対して大臣は、「言論を封殺する考えにはくみしない」と答えたそうです。

 その国の憲法第12条には、「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであって、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ」とありました。しかし、その大臣は、自国の憲法に違反し、世界の平和をおびやかすような内容の議論が、公共の福祉に反しないと思っていたようです。

 その国の子どもたちは友だちと、クラスの子どもをいじめる相談を盛んにするようになりました。学校の先生や親が注意すると、子どもたちは大臣の真似をして、「言論を封殺する考えにはくみしない!」というようになりました。

 大臣は、議論するだけならよいだろう、というのですが、大臣や国会議員が税金を使って、実現の禁じられていることの空理空論に時間を浪費することや、大臣の発言の子どもたちへの悪影響などを考えて、その国の人びとは怒りだしました。「もっと平和のことや国民の暮らしのことをこそ考えて下さい!」と。

 しかも、その大臣が議論したいこととは、その国の隣の国がやり始めて、その国を初め世界の国ぐにがこぞって、それはいけない、と忠告したばかりのことと同じだったのです。(呼びかけ人代表・多幡達夫)

[ブログサイト Ted's Coffeehouse(2006年10月20日)から転載]

2006年9月9日土曜日

改憲問題と世界の未来

 「アメリカの対日政策と改憲問題」という論文 [1] を読んだので紹介する。著者の中島氏(一橋大学)は、まず、アメリカの世界戦略分析し、同国が
  1. テロリストのネットワークなどの脅威に対する、相手の姿が見えない「非対称型」の戦争
  2. グローバルな規模での戦争
  3. 既存の自衛権の論理から逸脱した「先制攻撃」を辞さない姿勢
  4. 長期戦争
の4点を特徴とした戦争認識を持ち、そのための戦争遂行態勢づくりを目指していることを明らかにする。次いで、それに伴って生じている「日米同盟」の拡大、新ガイドライン以降のアメリカの対日要求の変化等についても詳述している。

 アメリカは上記のような世界戦略の中で、長期戦争のただ中にあることを表明し(2006年2月の「4年ごとの国防計画見直し」)、同盟国にはこの戦争を共同で戦うための役割・能力を期待している。したがって、アメリカは日本に対しても、「世界秩序の維持」のためのグローバルで能動的な役割を求めることになる。そこで、その障害となっている日本の憲法9条への不満が、アメリカの政界において表面化する状況を呈している。こうした背景を見つめるならば、集団的自衛権を当然の権利のようにいう改憲論のごまかしと危険性が明瞭になる。

 中島氏は次のように結論づけている。

 憲法9条の「改正」は、日本がアメリカを中心とする世界秩序の維持・拡大を目指す勢力の中核的同盟国となることを意味する。それゆえ9条改憲は、アメリカの戦争行為に荷担するか否かの問題であると同時に、アメリカ主導の世界秩序の立場に立つのか、それともより公正で民主的な「もうひとつの世界」をつくる立場に立つのかが問われる問題でもある。

 「もうひとつの世界」に関連して、中島氏は文献 [2] を引用している。この本は、「世界経済フォーラム」(通称ダボス会議)に対抗して開催された「世界社会フォーラム」の記録で、民衆の立場から、グローバリゼーション下の国際投機、福祉と環境、反戦、差別など、いろいろな問題のそれぞれについて政策提言を行っている。

 改憲問題において日本の国民がなすべき選択は、世界の未来における平和に大きくかかわっているのである。(呼びかけ人代表・多幡達夫)
  1. 中島醸, 日本の科学者 Vol. 41, No. 8, p. 4 (2006).
  2. ウィリアム・F・フィッシャー, トーマス・ (編), もうひとつの世界は可能だ (日本経済評論社, 2003).
[ブログサイト "Ted's Coffeehouse"(2006年9月9日)から転載]

2006年9月1日金曜日

結成のつどい、66名参加で大成功!

 8月8日当日は、開会前から会場に用意した椅子がほぼ埋まっていました。グループ「サヤン」のフルートとピアノ演奏で始まり、会場が一つになりました。次の I 先生による「九条紙芝居」で、戦争になったら、子どもたちが、学校が、家庭が、こんなに怖い戦争一色になるんだと、胸にストンとおちました。

 元衆議院議員の藤田スミさんは、「平和大好き、九条守ろう」という泉北ネットワークのことや、お父さんが兵隊に招集され、放出(はなてん)からの電話が最後で、二度と会えなかったことなどを話されました。もしもお父さんが生きておられたら、「いい憲法が出来たな!」と喜んでいると思う、と話されたときは涙ながらでした。

 「会場からの一言」では、「ぜひ話をさせて!」という、戦争を体験された5人の方がたが「つらいけれど聞いてほしい」と語って下さいました。平和が、憲法九条が危うくなっているいまこそ語らなければ、という思いの伝わってくる話ばかりでした。

 この会は、福泉・鳳地域にいまどうしても憲法九条を守りたいという思いで集った呼びかけ人6人の後押しで始まりました。1カ月半ほどで賛同者が430名をこえました。戦争はイヤ、平和が一番、九条を守ろう、という強い思いの方がたがこんなにもおられることを心強く感じました。

 当日までに4000枚のビラを配りました。鳳商店街、万崎団地、草部、上地域でハンドマイク宣伝行動を行いました。人から人へと賛同が広がり、思いがけない参加もあったことは、平和がおびやかされているいまこそ、なんとしても九条を守りたいという熱意からだと思いました。これを出発点として、この地域の住民の過半数をこえる署名をめざしてこの輪を広げたい、いや、広げられる、と思える力強い結成のつどいでした。(事務局長・上田)



呼びかけ人代表・多幡達夫の挨拶から

 湯川秀樹博士は『二つの道を一つに』という随筆で、「真理探究の道と、すでに見出された真理が人類を破滅に追い込むのでなく、それを存在の繁栄へと向わせる道の二つの道を一つにしなければならない」と記し、核兵器廃絶の運動に積極的に参加されました。私たちも、日頃の仕事と、平和な未来のために憲法九条を守って行くという二つの道は、決して別べつのものでなく、緊密にかかわりあう一つの道と考えて運動を進めて行こうではありませんか。

[『憲法九条だより』第1号(2006年9月1日)から]

2006年8月6日日曜日

福泉・鳳地域『憲法9条の会』発足

 2006年8月5日(土)、堺市・鳳南町地域会館において、66名の参加により、福泉・鳳地域「憲法9条の会」が結成されました。そして、みんなで次の三つの申し合わせ事項を確認しました。
  1. 「憲法9条の会」に賛同し、運動に協力します。
  2. 憲法9条を守るための署名を推進します。
  3. 学習会や集会にとりくみ、会への賛同を広く呼びかけます。
 9条の会は、支持政党や宗教の違いをこえて、9条を守りたいという思いでつながる会です。

 日本を再び戦争をする国にしないために、平和を守り子や孫に手渡していくためにも、賛同の輪を大きくひろげていきましょう。賛同していただける方は、お知らせ下さい。

 連絡先 273-5367 上田