2009年4月15日水曜日

「九条の会」と大阪空襲訴訟

 「泣き寝入りは絶対できない。戦争をこの世からなくしたい…」「裁判は自分にできる最後の平和運動」。固い決意を胸に、大阪空襲訴訟原告団・代表世話人安野輝子さん(堺市西区鳳南町)は、さる3月4日、大阪地方裁判所第202号法廷において、居並ぶ裁判官、原告弁護団、国側代理人、詰めかけた傍聴人の見守る中、第1回口頭弁論に臨み、意見陳述の大任を果たしました。

 福泉鳳九条の会では、2008年11月24日の大阪空襲訴訟原告団結成集会の当初から、多幡達夫・呼びかけ人代表が支える会の呼びかけ人に名を連ね、同年12月8日の大阪地裁への提訴、今回の口頭弁論と一貫して支援してきました。

 この訴訟は、朝日新聞・しんぶん赤旗をはじめ各メディアが大きく報じてきましたので、多くの方がご存知だと思います。

 68年前、国がおこした無謀な戦争で空襲の惨禍をくぐって、辛い人生を生きのびてきた空襲被害者を、半世紀以上になる今日まで、国は棄民同様に全く省みることはありませんでした。国の救済を待ちきれずに亡くなられた方がたも沢山おられます。手厚く補償されている軍人軍属・遺族その他に比べて、放って置かれているのは一般被災者だけです。まったく非人間的な扱いです。

 被災者の多くは、手足を奪われ、顔や背中に火傷跡のケロイドを残し、高齢の今は生きる希望すら失っています。しかも、21世紀になっても戦火の炎は地球上から絶えることはありません。

 原告団代表の安野輝子さんは、私たち「福泉・鳳地域 憲法九条の会」の仲間のお一人でもあります。この先、非情な国を相手に長い裁判を闘っていかれるわけですが、九条を守る活動と連動して、私たち一人ひとりが大阪空襲訴訟の原告団をしっかり支えていかなければと思っています。

 こうしている間も、世界のあちこちで戦火に追われ、罪のない人たちが必死で逃げ惑っています。64年前の私たちのように…。

 人間の手で起こす戦争の悲劇は、人間の手で断ち切らねばなりません。これからも、しっかり九条を守りぬき、世界に広めていきましょう。大阪空襲訴訟の次回公判六月三日への参加や、支える会への入会やカンパもお願いします。(C・A)

[『憲法九条だより』第9号(2009年4月15日)から]