2011年12月8日木曜日

太平洋戦争開始から70年


 本会の世話人と賛同者で、毎月9の日(またはその前後)に、憲法9条を守り活かすための宣伝・署名活動を地域で実施しています。今月はきょう12月8日、太平洋戦争開始からちょうど70年目の日に実施の予定でしたが、あいにくの雨で中止としました。

 ハンド・マイクでの街頭宣伝に使う文は、毎回、本会の事務局長と代表(こちらは時折休みます)が別個に作成したものを使用しています。毎回同じ表現の部分もありますが、時勢や状況に応じて変る部分も多くあります。きょう使用する予定だった代表の作成による文を以下に掲載します。

(本会代表・多幡)



 皆さん、こんにちは。こちらは福泉・鳳地域「憲法9条の会」です。

  日本が二度と戦争を起こさない平和な国であるように、憲法9条を守り、また、これを世界に輝かせようと、作家の大江健三郎さん、澤地久枝さんら9名の呼びかけで、2004年に「九条の会」が発足しました。この「九条の会」を地域や職場で支える会が、全国で7500以上にもなり、その運動は大きく広がっています。

  私たち福泉・鳳地域「憲法9条の会」も、このような地域の会の一つです。国際紛争の解決手段としての戦争を、永久にしないとしている憲法9条を守るため、思想・信条の違いを超えて力を合わせ、戦争反対への共同の輪を広げるための署名活動をしています。皆さんのご協力をぜひ、よろしくお願いします。

  きょう12月8日は、日本が太平洋戦争を始めた日から、ちょうど70年目に当たります。あの戦争で、日本の軍隊は約220万人の死者を出し、空襲や原爆で、一般の人たちも約100万人が死亡し、310万戸の家が焼けたり壊されたりしました。また、日本の侵略によって死亡したアジア諸国の人々の数は、1880万と推定されています。なんと野蛮で愚かなことをしたのでしょうか。

 日本国憲法は平和主義を一つの主要な柱でとして、第9条で国際紛争解決のために、戦争や、武力による威嚇、そしてまた、武力の行使をしないと決めています。この条項は、国民に多大な苦しみを与えたあの愚かな戦争の反省の上に立って、戦後の日本で大いに歓迎されたのです。

  ところが、近年の日本の政治は、日本国憲法9条が実現しようとした国のあり方を、変える方向に歩んで来ました。民主党政権は野田内閣に変ってからも、沖縄県民の意志を無視しての米軍基地の辺野古移設や、「武器輸出三原則」の見直しで、戦争への加担を進めようとしています。憲法9条が大切と思う国民の声をよそに、国会では先月、衆参両院の憲法審査会が動き始めました。憲法を変えたいという考えの議員たちの本音は、憲法9条を変えることなのです。

  昨今の国際情勢としては、平和に向って努力する機運が、わずかずつながら高まっています。その中で、わが国が憲法9条を変えて、戦争をする国になるならば、それは歴史の歯車を大きく逆転させることになるでしょう。日本がそのような道を進まないようにするためには、憲法9条を守り活かさなければならないとの声をさらに大きくして、名実ともに憲法9条が世界の手本になるようにしなければなりません。

  さる10月30日に、私たち福泉・鳳地域「憲法9条の会」は結成5周年を記念する集いを開催し、ジャーナリスト・伊藤千尋さんのお話を聞きました。その中に、アフリカ沖の島、カナリア諸島に、日本の憲法9条を書いた碑があるという話がありました。憲法9条は、海外でもこのように尊ばれているのです。そのような憲法9条を、活かさないどころか、なくしてしまおうというのは、とんでもないことではありませんか。

  米軍基地にせよ、核兵器その他の兵器にせよ、軍事的抑止力というものは、軍拡競争をあおるだけで、それらが戦争防止に役立つという考えは、幻想に過ぎません。ましてや、日本を海外で戦争の出来る国にすることは、軍事費の増大で一般国民の暮らしを苦しめ、近隣の国々との間の問題解決に本当に有効な外交手段を遠ざけるという結果しかもたらしません。憲法9条こそが真の抑止力なのです。

  それにもかかわらず、日本の政府が米軍基地を重視するなどのアメリカ従属の姿勢をとっている重要な原因は、旧条約が結ばれてから60年にもなる、日米安保体制にあることを見逃してはなりません。平和で豊かな日本の未来を作るには、アメリカの従属国であるという地位を返上し、憲法9条を本当に活かすことが不可欠ではないでしょうか。 

 「戦争はきらい」という私たちの素朴な気持ちこそが、政治を正しい方向に向けることが出来るのです。この気持ちを結集して、憲法9条を守りかそうとの世論をもっともっと広めるため、署名活動をしています。お願いに回っています署名によろしくご協力下さい。 

 大きなマイクでお騒がせしました。ご清聴ありがとうございました。

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