2012年3月4日日曜日

自民党が憲法改正草案の原案


 先日、自民党が第2次憲法改正草案の原案をまとめたことが報道されました(たとえばこちら)。党内議論を経て4月下旬までに党の新憲法案を決定し、国会提出を目指す予定だということです。

 第1章の「天皇」では、天皇を「日本国の元首」と定め、国旗国歌を尊重する規定も盛り込んでいます。9条1項については「自衛権の発動を妨げるものではない」との条文を追加して集団的自衛権の行使を認め、自衛隊を「自衛軍」と位置づけ、軍法会議に当たる審判所を設置するとしています。第5章の「内閣」では、首相は最高指揮権者として自衛軍を指揮するとしています。明治憲法並みの退歩的発想ではありませんか。

 また、第8章の2として、新たに「緊急事態条項」が加えられ、首相は緊急事態を宣言し、内閣は法律と同一効果がある政令の制定、地方自治体の長に対する指示ができると定め、「何人も国などの指示に従う義務がある」としています。緊急事態が宣言されると、一時的とはいえ、政府は独裁的な機関になることもあり得るので、現憲法はこのように危険な国家緊急権を認めていないのです。

 「自民憲法改正案 いま変える必要あるのか」という社説も出ています(3月4日付け西日本新聞)。こうした拙速で、時代錯誤的、好戦的な改憲を決して許してはなりません。

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