2012年10月28日日曜日

本会学習会「戦争と原発—アフガン、シリア、福島の現場から」盛会


 本日午後、堺市立西文化会館で開催した本会主催の学習会は、会場のセミナールーム一杯の参加者があり、盛会でした。

 お話をお願いしたフリージャーナリスト西谷文和さんの演題は表記の通りでしたが、実際に話された内容には、もう一つ「トオルちゃん」が加わりました。これは橋下大阪市長の率いる維新の会がいかに危険なものかという話で、戦争、原発、「トオルちゃん」に共通する危険は、富裕層とマスコミが一体となってのPRであることを指摘されました。

 西谷さんが先月取材のため訪問したシリアで内線のため急増している難民たちや、それよりも先に訪問したアフガンで劣化ウラン弾による放射線被ばくのため高い割合で生まれている障害児たちの、生々しい映像も見せて貰い、参加者一同、戦争とその背後で金儲けを企んでいる人たちの恐ろしさをひしひしと感じました。

 いずれ、写真を交えた報告を掲載する予定ですが、以下にとりあえず、本会代表・多幡の開会のあいさつを掲載します。

多幡記

 皆さん、こんにちは。心配された雨も晴れ上がり、幸いでした。
私たちの福泉・鳳地域「憲法9条の会」は、2006年に発足し、日本は国際紛争の解決に武力を使わないとしている憲法9条を守り活かそうという活動を続けています。その一環として、毎年1回、講演会あるいは学習会を行なってきました。きょうは、今年のそういう催しとして、西谷文彦さんのお話を中心に開催することになりました。
 領土問題が浮かび上がってきたこともあって、憲法を変えようという動きが強まっています。また、憲法の解釈を変えて、集団的自衛権の行使を認めようという動きもあります。このような情勢の中で、私たちは、どんなことがあっても、戦争を起こしたり、アメリカが起こす戦争に参加したりするような事態を招いてはいけないとの思いで運動を続けています。
 ことしの『防衛白書』は、近隣の国々が軍事力を増強していることを理由に、米軍と自衛隊の「動的防衛協力」という、憲法9条の精神に反する方針について盛んに述べて、「軍事対抗主義」をあらわにしています。近隣の国々が軍事力を増強しているのは、アメリカが核兵器を持っている上に、他の国に対する軍事的干渉をいとわない国であることへの警戒のためなのです。それにもかかわらず、日本がアメリカとの軍事協力を深めれば、日本の安全にとって全く逆効果でしかありません。
 このように見てきますと、日米安全保障条約、略称「安保」があるために、日本は不必要な戦争の準備をしていると思われてなりません。そして、沖縄の米軍基地問題、危険きわまりない輸送機オスプレイの配備、米兵による暴行事件などなど、安保のもたらす弊害が際立ってきているこの頃です。
 また、安保を理由に、アメリカは日本の原発政策にも口出しをしています。昨年の原発事故によって、国民の原発ゼロを願う声が大いに高まりました。平和とは戦争のないことだけでなく、あらゆる危険のないことでもあります。この意味で、憲法9条を守ることは、速やかな原発ゼロを願うことに通じます。
 9条の会の呼びかけ人の一人、大江健三郎さんは、野田政権が一旦発表した 2030年代に原発ゼロをめざす政策を、アメリカと財界の圧力に押されて、あいまいにしてしまったことに対し、この国に民主主義があるのかと批判しています。そして、こういう時に私たちに出来ることは、私たち市民の意思を表明し続けることしかない、と述べています。
 この学習会が、平和を願う私たちの意思を大きく広げて行く一助となれば幸いです。
 以上、開会の挨拶といたします。