2013年4月29日月曜日

米紙が続々と安倍首相批判

 『ニューヨークタイムズ』の4月24日付け社説は、「無用な日本の国家主義」と題して、168人の議員団による靖国神社参拝を批判し、「歴史的な傷を悪化させるのではなく、長く停滞している経済の改善と、アジアと世界での指導的民主国家としての役割強化に重点を置いて、日本の将来を構想することに、安倍氏は集中すべきである」と指摘しました。(原文へのリンクと全文和訳がこちらに。)

 『ワシントン・ポスト』の4月27日付け社説は、「歴史に向き合えない安倍晋三」と題して、前世紀の朝鮮半島の植民地支配に対して1995年に日本が表明した公式な謝罪を見直したいかどうかを国会で質問され、安倍氏が「侵略という定義は学界的にも国際的にも定まっていない。国と国の関係でどちらから見るかで違う」と答弁したことを述べ、次のように批判しています。「確かに、歴史は常に再解釈され続けている。しかし事実というものはあるのである。日本は朝鮮半島を占領した。日本は満州に続いて中国全土を占領した。日本はマレー半島に侵攻した。日本は侵略を行ったのだ。ドイツが歴史と率直に向きあってヨーロッパでの地位を確立してから何十年もたつというのに、どうして日本にはいまだに事実を認められない人々がいるのだろうか?」(原文へのリンクと全文和訳がこちらに。)

 また、『ウォール・ストリート・ジャーナル』が4月25日付けで「安倍首相、近隣諸国の神経を逆なで:戦時期の「侵略」を疑問視」(日本語版題名)という記事を、『クリスチャン・サイエンス・モニター』も同日付けで「日本の安倍晋三はとうとう国粋主義の本性にしたがって行動しているのか?」と題する記事を掲載しました。どちらの記事も、安倍首相が最近、戦時期の歴史を再考すべきとの考えを一段と強く打ち出し、閣僚の靖国神社参拝に対するアジアの近隣諸国の批判に反論したことが、中韓両国との関係をさらに悪化させていると指摘しています。

多幡記

2013年4月26日金曜日

「核の非人道性」声明に賛同せず:日本政府の非人道ぶり

 日本政府は4月24日、スイスなど70カ国以上が支持した核兵器の非人道性を指摘した共同声明に賛同しないと表明しました。「いかなる状況下でも核兵器が二度と使われないことは人類生存の利益」という表現が、日本の安保政策と現時点では一致しないと判断したことによるものです。

 共同声明はスイスや南アフリカが主導して、ジュネーブの国連欧州本部で開かれている核拡散防止条約(NPT)再検討会議第2準備委員会で提出されたものです。声明中には、「核兵器の人道的影響は根本的かつ世界的な懸念として認識が高まっており、核廃絶と核不拡散を実現する上で中心となるべきだ」と明記されています。また、「核兵器が二度と使われないことを保証する唯一の手段は核兵器の全廃だ」とも記されています。

 スイスは日本にも賛同を求め、両国は協議を重ねてきました。しかし、日本は米国による「核の傘」が事実上、北朝鮮などによる攻撃の抑止力となっているとして、「いかなる状況下でも核兵器が二度と使われない」との表現について、「現実に核兵器が存在する中で(実態と)相いれない」(天野万利軍縮大使)として、賛同を見送ったのです。(以上、4月25日付け時事通信配信を参考にしました。)

 現実に核兵器が存在するからこそ、それが二度と使われないよう、非人道性を訴える必要があるのではありませんか。第二次大戦の原爆被爆国である日本が各国の先頭に立って訴えるべき声明に、賛同さえしないという政府の国際政治舞台における非人道ぶりには、あきれてものがいえません。

 安保政策と一致しないのであれば、そういう安保政策を速やかに止めるべきです。想定されている「北朝鮮などによる攻撃」とは、核保有国アメリカや日本における米軍基地を標的にしたものでしかありません。安保政策そのものが日本を危険な状態にしているのです。

多幡記

2013年4月25日木曜日

「九条の会」メルマガ第163号:安倍首相は96条改憲へ、暴走を始めたが



「九条の会」の新しいポスター(雨天対応で欠陥のあることがわかり、事務局では急きょ、作成し直し、交換に応じています。
関連のメルマガ記事はこちら。ポスターの PDF はこちら。)

 表記の号(2013年4月25日付け)が発行されました。詳細はウェブサイトでご覧になれます。運動に活用しましょう。以下に、編集後記を引用して紹介します。なお、メルマガ読者登録はこちらでできます。
編集後記~安倍首相は96条改憲へ、暴走を始めたが

 安倍首相は遊説の途中、立ち寄った故郷山口県で、気分を高揚させ、改めて96条改憲を叫んだようです。メディアが「改憲、96条先行に意欲=安倍首相」と書きました。ここでまたも祖父・岸信介を持ち出したようですが、首相はいま発売中の岩波ブックレット『いま、憲法の魂を選びとる』で「あなたのおじいちゃまはねぇ」と三木睦子さんが諭しているもう一人の祖父・安倍寛氏のことを思い出すべきでしょう。おそらく、安倍寛氏がご存命であれば、96条を変えて、9条改憲をめざす道を急ぐ晋三氏を一喝するのではないでしょうか。

2013年4月24日水曜日

5/25「何度でも語る 歴史の事実はこれです:再び戦争への道を歩まないために」


 "日本軍「慰安婦」被害者証言キャンペーン 2013 in おおさか" の行事として、表記の催しが下記の要領で開催されます。

  • 日 時:5月25日(土)12時半開場/1時開始
  • 場 所:ドーンセンター、ホール
      (地下鉄・京阪「天満橋」下車すぐ、地図はこちら
  • 講 演:被害者の声に向きあって:記録し、記憶し、未来へ
     語り継ぐ責任
      吉見義明さん(中央大学教授)
      ユン・ミヒャンさん(韓国挺身隊問題対策協議会共同代表)
  • う た:イ・チョンミさん、アン・ソンミンさん
  • ゲスト:キム・ボットン ハルモニ、キル・ウォノク ハルモニ
  • 資料代:一般 800円/学生 400円
  • 主 催:日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワーク
      TEL 080-6185-9995
  • チラシ PDF のダウンロードはこちらから。

 安倍首相も橋下大阪市長も言います。「強制連行はなかった」と。そして安倍首相は「政治問題・外交問題にするべきではない」と言いつつも、河野談話の見直しを狙っており、国際社会の批難を浴びています。橋下市長は昨年9月に金福童ハルモニが来阪して、再三面会要請をしたにもかかわらず無視し続け、さらに記者会見で被害者を愚弄する発言をやめませんでした。
 欧米など世界の国々は、安倍首相も橋下市長も極右政治家だとしてその言動を注視しています。日本軍「慰安婦」問題に日本政府がどう対応するのか、大きな関心を持っています。
 多くの苦難を経験した「慰安婦」被害者たちは、「二度と自分たちのような被害者を生み出さないで」「二度と戦争はしないで」と訴え続けてきました。しかし、この夏の参議院選挙を前に、安倍政権は選挙による「民意」を盾にした、憲法改正や戦争のできる国づくりをめざしています。本当に大切なのは人々の生活を守り、平和や人権が尊重される社会を築くことではないでしょうか。
 今回韓国から被害者が来日され、中国・関西地方を中心に回りながら、歴史の事実を証言し、平和の大切さを訴えられます。高齢にもかかわらず、日々病と闘いながら、残された日々を未来の世代に託す被害者の声をぜひとも聴きとってください。
 ハルモニたちの声を今こそ胸に刻みましょう。
 そして、日本政府に公式謝罪と賠償をさせましょう。
(主催団体ホームページから)

2013年4月22日月曜日

5/17 九条の会・おおさか講演会:作家・赤川次郎さんが語る「エンタテインメントの中の戦争」


 表記講演会が下記の要領で行なわれます。誘い合って参加しましょう。
  • 日時
    2013年5月17日(金)、18:00 開場、18:30 開演
  • 会場
    大阪市中央公会堂(中之島公会堂)大ホール
     地下鉄・京阪「淀屋橋」「北浜」
     京阪中之島線「なにわ橋」下車
     ※ 地図・アクセスはこちら
     * 公会堂の駐輪場は閉鎖されました。
     * 自転車・バイクは「なにわ橋駅」の地下駐輪場へ
  • プログラム
    • メイン講演「エンタテインメントの中の戦争」
       作家・赤川次郎さん(日本ペンクラブ会長)
    • ヴァイオリン・コンサート
       廣澤大介さん(ピアノ:赤川京子さん)
       ※廣澤さんは、 「サヴァン的要素を要素をもった、広汎性発達障害に含まれる自閉症」を克服しながらヴァイオリンを研鑽。2001年には「障害者のための国際音楽祭」で特別賞を受賞。廣澤大介さんを密着取材した2004年の朝日放送番組は安井賞を受賞。2006年にプロデビュー。
  • 参加費
     *1000円
     *学生500円
     *高校生以下・障がい者・介助者は無料
      ※チケットはありません。
      ※当日受付でお支払いください
  • 当日、手話通訳があります
  • 主催
    九条の会・おおさか
     TEL 06-6365-9005、FAX 06-6314-3660
     ホームページはこちら
  • チラシPDFのダウンロードはこちら

2013年4月20日土曜日

安倍政権の改憲暴走を許さない! 5・3憲法のつどい&パレード(大阪)


 表記の集会とパレードが下記の通り行なわれます。改憲暴走を許さないために、この催しを成功させましょう。

  • 日 時:5月3日 PM 12:30 開場、1:00 開会
  • 会 場:エルおおさか(エルシアター)
         地図はこちら
  • 講 演:「憲法改悪の動向と私たちの課題(仮)」
         浦部法穂(うらべ のりほ)さん
          (神戸大学名誉教授)
  • 資料代:500円
  • 主 催:5・3憲法の集い・実行委員会 (TEL 06-6352-2923)

 チラシのダウンロードはこちら

2013年4月18日木曜日

戦争体験を語る:泉谷ミサノさん(1)

「死ぬんだったら家族と一緒に…」


泉谷ミサノさん(鳳東町)

女子はぺんぺん草

 私は大正14年9月20日、大阪市浪速区で4人姉妹の長女として生まれました。父は能登半島の輪島と穴水の中間あたりの片田舎、「与呂見」村の農家に生まれました。農家の女の子は「ぺんぺん草」という屋根に生える草にたとえられ嫁に行かなくてももどってきても養ってやるが、長男以外の男兄弟は「木っ葉」といって何一つ与えずに追い出される風習がありました。それで次男坊の父は大阪に出てきて運送業をしていました。といっても車ではなく馬車でやっていました。

 母は奈良県大和の田舎、柳生出身でした。両親とも穏やかでどこから見ても普通の家庭で、私は気ままにのびのびと育てられていました。近所には子どもが多く8人兄弟もめずらしくありませんでした。だから遊ぶ相手には事欠かず、お稲荷さんに行ってかくれんぼをしたり、ドッジボールをしたり、ハイキングに行ったり、よく遊びました。あの時代不良などする人はいませんでした。

勤労奉仕

 大阪市立立葉高等女学校に入学してからは、神武天皇から始まる天皇の名前を暗唱させられたり、薙刀(なぎなた)の練習をしたり、勤労奉仕として出征兵士の家に稲刈りの手伝いに行ったり、学校で兵隊さんの服などミシンかけをやったり、森ノ宮の砲兵工廠で軍刀や短刀を入れる革サック磨きは一日中外に出られず疲れたけど、ずっとでもなく苦しい辛いと思ったことはありませんでした。

栄養失調

 私はそろばんが得意で仕事ではずいぶんと得をしました。今でも買物をするときは暗算をしており、頭の老化防止にもいいようです。当時の給料は月30円弱、ボーナスは100円で結構よかったと思います。それで心斎橋をぶらついたり、買い物をしたり、宝塚やOSKを見に行ったり、気楽に遊んでいました。

 やがて戦況が厳しくなってきて、繊維業界は平和産業といわれ肩身が狭くなり、勤め先は店を閉めてしまいました。やむなく今度は日本通運に就職しました。その頃ものは不足しており、食べ物も配給制度になっていました。それでただでも食料が少ないうえに、私は好き嫌いをしていたことがたたって、事務所で倒れてしまいました。栄養失調と診断されました。それで日本通運も辞めてしまいました。療養を兼ねて一人で大和の柳生に疎開しました。大きな広い家には祖母が一人で暮らしており喜んでくれました。

空襲で丸焼け

 私が大和にいた昭和20年3月、大阪空襲で難波あたりがやられたとき、私の家も丸焼けになりました。両親と妹3人は奇跡的に無事でしたが、何もかも焼けてしまいました。私が大和に持って行ってた少しの写真以外はすべて焼かれ残っていません。小学校の同級生も多く犠牲になりました。生きていても名簿も焼けて連絡も取れなくなりました。だから同窓会はずっとありませんでした。その後何とか連絡がつき初めてやったのが60歳の時で、集まったのも10人だけでした。その中で今も生きているのは私と、小浜と福島にいる2人だけです。

能登の寺へ疎開

 空襲で焼け出された家族5人は住む家も無くなり、疎開をすることになりました。あてもなく父の故郷に向かい、石川県穴水と輪島の中間あたりの能登三井駅(2001年に廃線となり今はない)駅前の寺(記憶では徳成寺と思う)の本堂の片隅に布団をひき寝させてもらいました。お寺さんにとっては迷惑なことは分かっていましたが、行くところもなく仕方なく暮らしていました。

 その頃大和にいた私は激しさを増してくる空襲の話をあちらこちらで耳にしていたので、死ぬんだったら家族と一緒に死にたいと考え、祖母に引き止められたけど、家族のいるその寺へ行き、一緒に生活を始めました。この寺で終戦をむかえましたが、家族のくらしは更にたいへんになりました。(次号に続く)

(インタビュー、小倉・荒川、2012年5月22日)

『憲法九条だより』第20号(2013年4月1日)から

[「戦争体験を語る:泉谷ミサノさん (2)」はこちら

2013年4月15日月曜日

5/2 憲法 変える?変えない? ドッチ?:堺で西谷文和さんを迎えて憲法学習会


 学習会「憲法 変える?変えない? ドッチ?〜憲法・政治・軍事産業について知ろう〜」が書きの要領で開催されます。
  • 日時:2013年5月2日(木) 18:30〜21:00
  • 場所:サンスクエア堺 第一会議室
  • 資料代:500円(学生無料)
  • 講師:西谷文和氏 (フリージャーナリスト)
  • 主催:トークセッション堺実行委員会
  • 問い合わせ先:堺北民主商工会 気付

講師紹介
西谷 文和(にしたに ふみかず)
ジャーナリスト、イラクの子どもを救う会 代表
 大阪府出身。立命館大学理工学部中退。大阪市立大学経済学部卒業。市役所勤務を経て、現在フリージャーナリストで、NGOイラクの子どもを救う会代表。 2006年度「平和協同ジャーナリスト大賞」を受賞。テレビ朝日「報道ステーション」や朝日放送「ムーブ!」、TBSテレビ「イブニングニュース」などで 戦争の悲惨さを伝えています。[福泉・鳳地域「憲法9条の会」でも、昨2012年10月28日、西谷さんを迎えて学習会を催し、参加者たちからは、また西谷さんのお話を聞きたいとの声もあり、大好評でした。]

2013年4月11日木曜日

3・17 春の憲法学習講座に参加して

「政権交替でどうなる憲法、どうする憲法」
名古屋大学名誉教授・森英樹氏の講演から

本会事務局長 上田規美子

 会場いっぱいの約270人が参加し、熱気が感じられました。「昨年の総選挙で自民党が圧勝したが、これは議席上のことで、小選挙区制の効果であり、恐れるに足りない、けれども、多数議席を得た安倍政権は、『憲法改正』に向けての動きを強めてくる」として自民党の「憲法改正草案」について、現行の日本国憲法と比較して話を進められました。

 特に前文は、現行憲法の全文を破棄し、「国と郷土を誇りと気概を持って自ら守り、基本的人権を尊重するとともに和を尊び、家族や社会全体が互いに助け合って国家を形成する」ということが強調されています。天皇については日本国の元首であると明確に規定しています。

 第9条は1項の戦争の放棄は残しながらも、2項の「陸海空軍その他の戦力はこれを保持しない。国の交戦権はこれを認めない」が削除され、内閣総理大臣を最高指揮官とする「国防軍」が新たにつけ加えられました。また、緊急事態に対応するために第9章が新たに設けられ、緊急事態措置への国民の服従が強制されるものになっています。

 9条改憲派が圧勝し、日本維新の会という自民党より右の改憲政党が登場したことで、自民党の方がマシではないかという見方も出てきているということです。安倍首相は公明党よりむしろ維新との絆が強いけれども、維新の会は海外では「王政復古」と受けとめられています。

 安倍首相は7月21日投票の参議院選挙までは「安倍カラー」を出さずにいますが、「9条改正」をしやすくするために、まずは「96条改正」をするというのが本音です。3月7日には「96条改正をめざす議員連盟」が活動を再開し、民主党、維新の会、みんなの党の有志議員が勉強会をはじめたと報告されています。そして、安倍内閣では、9条があるために規制してきた「武器輸出三原則」を事実上撤廃し、集団的自衛権の行使に踏み出そうとしているのです。

 けれども、国会内と世論のずれは深く、朝日新聞の今年一月末の世論調査で「憲法改正」反対は5割を超えています。また、日本の改憲の動きにアジアや世界から警戒の声も高まっています。今後は、改憲手続きを定めた96条「改正」が焦点になっていきます。その狙いが9条の改定にあると指摘するだけではこの動きを押し返すことは出来ません。実態をあばくことと、それは私たちの生活をどうすることなのか具体的に知らせていくことが重要だ、と話されました。

 わたしたち福泉・鳳地域憲法九条の会も、引き続き宣伝と署名活動を強めて、9条を守る世論作りに頑張ります。





井崎孝子(本会世話人)

記事、絵手紙の挿絵ともに『憲法九条だより』第20号(2013年4月1日)から

2013年4月10日水曜日

「九条の会」メルマガ第162号:九条の会事務局学習会「第二次安倍政権の改憲に立ち向かう」;96条改憲反対! 9条改憲反対! と宮城県大崎市内をデモ

 表記の号(2013年4月10日付け)が発行されました。詳細はウェブサイトでご覧になれます。運動に活用しましょう。以下に、九条の会事務局学習会の案内と編集後記を引用して紹介します。ほかに、「『ベアテさんを偲ぶ会』での娘さんのニコルさんのスピーチ(於・東京3月30日)」も感動的な記事です。少し長いので引用しませんが、こちらでぜひお読み下さい。なお、メルマガ読者登録はこちらでできます。
九条の会事務局学習会「第二次安倍政権の改憲に立ち向かう」のお知らせ(開催日6月8日)

 3月の学習会に続いて、以下の次第で事務局主催学習会を開催します。
  • 講師:川口創さん(イラク派兵違憲訴訟弁護団事務局長)「イラク派兵違憲判決の今日的意義」(仮題)
  • 講師:山内敏弘さん(一橋大学名誉教授)「憲法9条と96条改憲について」(仮題)
  • 日時:6月8日(土)13時30分~16時30分(開場13時)
  • 参加費:1000円
  • 要予約:予約は5月10日(金)から。メールかFAXで事務局へ。電話では受け付けません。それ以前のお申し込みは無効となりますのでご注意下さい。
  • 会場:在日本韓国YMCA青少年会館(JR水道橋駅下車徒歩13分)
  • 主催:九条の会事務局
編集後記~96条改憲反対! 9条改憲反対! と宮城県大崎市内をデモ

 台風並みの低気圧が近づいているという不気味な天気予報があるなか、4月6日、宮城県大崎市にある「大崎市健康福祉友の会九条の会」の招きで、「第2次安倍政権下での憲法9条」と題した講演をした。土曜の午後、会場一杯の88人が参加した。宮城県の首長九条の会のリーダーである鹿野文永・元鹿島台町長もおいでになっておられた。会場では主催者が、できたばかりの「九条の会ポスター」を筒状に丸めたものを参加者全員に配布していた。講演の終了後、市内をデモ行進するということで、私もデモの先頭にたつハメに。デモ隊は安倍改憲暴走政権に負けじとばかりに、元気よく「憲法9条を守ろう!」「憲法96条改憲反対」の声を上げて、市民に訴えた。この時期の「96条改憲反対」のデモというのはまだ珍しい方ではなかっただろうか。その心意気がうれしく、頼もしかった。聞いたところでは、大崎市ではこの冬も毎週欠かさず、原発反対の金曜デモが行われてきたということだ。
 さて、またしてもブックレット新刊のお知らせです。3月3日に九条の会事務局と九条科学者の会とが共催で開いた学習会のブックレットがまもなく出来上がります。タイトルは『憲法9条の新たな危機に抗して』。「日本政治の右傾化と憲法の危機」(五十嵐仁・法政大学教授)と「ここが危ない! 集団的自衛権」(松田竹男・大阪市立大学特任教授)を収録し、1冊400円(送料別途)。10冊以上1割引、50冊以上2割引。予約受け付け中、出来上がり次第順次お送ります。ご期待ください。

2013年4月9日火曜日

「気分はもう戦争?」:池澤夏樹さん

 先に池澤夏樹さんの朝日紙夕刊のエッセイ2月分「沖縄、根拠なき負担」を紹介しました(紹介記事はこちら)。3月、4月分のエッセイも、本会の関心事にふれています。今回は、遅くなりましたが、3月分のエッセイ「気分はもう戦争?—努力なくして平和なし—」を、私たちが読むときに留意しなければならない点を中心に紹介したいと思います(副題「努力なくして…」は、印刷版にあったもので、ディジタル版にはありません)。

 「気がついたら、戦争というものがずいぶん近くにぬっと立っていた」という文で始まるこのエッセイは、尖閣諸島の問題を取り上げていて、三つの章に別れています。最初の章では、国家は結束を強めるためにナショナリズムを生産し、異論を封じ、すべてを外的との闘いに投入するというふうに、日米戦争においての日本の開戦から敗戦までを描いています。

 これを受けて、次の章は、「尖閣はそんなことにはならないだろう。なんと言っても小さな無人島を巡る『局地限定戦争』のはずだから」と始まります。ここで私たちは、これが池澤さんの推定だと思って安心してしまってはいけません。池澤さんは似たような例として、1982年にアルゼンチンとイギリスの間で起こったフォークランド紛争について述べています。そして、「フォークランドと違って尖閣はそれぞれの本土にとても近い。偶然から戦線が拡大する危険は少なくない」と警告しているのです。

 最後の章は、「平和というのはただのんびりした状態ではなく、戦争の原因を排除しつづけて得られる微妙な安定である」という主張や、「中国は本当に覇権国家を目指しているのだろうか?」という分析が述べられていて、やや複雑です。しかし、末尾近くに「[日本と中国の]どちらの国でも普通の人々は誰が戦争で利するのか考えた方がいい」という言葉があり、これはとても重要だと思います。

 この言葉に続いて、「というぼくの声が中国の普通の人たちに届くとは思えないが」とありますので、私はここを読んだとき、平和の責任を中国側にのみ期待しているようで、いささか変だと思いました。しかし、最後に「同じように考える人があちらにもたくさんいることをぼくは信じている」とあります。これを詳しく言い換えれば、池澤さんは次のように考えているのです。「日本ではこのエッセイによって同じように考える人が多少なりとも増えるだろうが、あちら中国には、このエッセイが届かなくても、同じように考える人がたくさんいると信じて、双方のそういう人たちによって平和が保たれることを期待したい。」

 ところで、池澤さんの問い「誰が戦争で利するのか」に対する答を、皆さんはどう思われますか。戦争の準備段階や初期段階では、一時的に兵器を作る大企業やそこから献金を貰う政治家たちが利するということがあっても、「普通の人々」は何も利することがないどころか、経済的な苦しみを求められ、また、精神的な不安をあおられることになるでしょう。また、最終的には人命・建造物・環境などなどの、破壊による大きな損失があるばかりで、誰も利することにはならないと、私は思います。戦争では何も解決出来ません。憲法9条を守り活かすことこそが、本当の防衛力になるのです。

多幡記

2013年4月7日日曜日

『戦争はいやです』:憲法改悪反対共同センターがリーフレット作製


 憲法改悪反対共同センターがこのほど、『戦争はいやです 憲法9条を変えて国防軍なんてとんでもない!』と題するリーフレットを作製しました。リーフレットは、四つ折りハガキ大で、その PDF ファイルがこちらでご覧になれます。また、ファックスでの注文用紙が、こちらからダウンロード出来ます。安倍政権が狙う憲法改悪を阻止する運動と世論の拡大に活用しましょう。

 リーフレットの四つ折りを開いた形で見たときの表面には、「憲法9条『改正』で日本は戦争する国に」という解説で、自民党の改憲策動を批判し、韓国や中国との領土問題には、「憲法9条生かして平和外交を」と訴えています。また、俳優の西田敏行さんの、「憲法9条は絶対守るべきだと思っています。平和を願うこんな条文は他の国にはありません」などの言葉ものせています。

 リーフレット裏面は、「国民から権力者(政府)への命令書 憲法は、私たちのくらしと権利を守り支える条文がいっぱいです」として、人間らしく幸せに生きることを保障している13条などを紹介し、現憲法をたたえています。(以上、4月7日付け『しんぶん赤旗』記事「憲法改悪反対共同センターがリーフレット」を参考にしました。)

 憲法13条といえば、さる3月29日の参院予算委員会で安倍首相が質問されて、この条項をよく知らないことを露呈し(朝日新聞 DIGITAL 3月29日付け記事や同紙4月7日付け「天声人語」欄など)、「改憲」を唱える資格がまったくないことをも示したところです。

多幡記

2013年4月6日土曜日

『いま、憲法の魂を選びとる』刊行される


 既報「『九条の会』メルマガ第161号」編集後記に紹介されていました岩波ブックレット『いま、憲法の魂を選びとる』が、このほど刊行されました。

 「いま問われているのは、私たち自身の生き方をどのような形で選ぶのか、ということである。憲法は戦後、私たちに何をもたらしてきたのか。私たちは憲法を活かし、憲法を生きてきたか。その長い道程を振り返ることなく、私たちが獲得してきた権利を剥奪の危機にさらしてはならない。国民主権を守るために、もう一度、考える」との観点でまとめられています。

 内容は、昨年9月に開催された「三木睦子さんの志を受けついで:九条の会講演会――今、民主主義が試されるとき」の記録に加えて、九条の会呼びかけ人・奥平康弘さんと同事務局長・小森陽一さんの対談が新たに組まれたものです。憲法9条を守り活かす運動に活用しましょう。

2013年4月1日月曜日

4/6 講演「今日の日本と憲法問題」

 表記の講演が次の要領で行なわれます。堺市民懇第25回総会の記念講演として行なわれるものですが、第2部(講演の部)は、どなたでも聴講出来ます。
  • 日時:2013年4月6日(土)14:30〜17:00
  • 会場:サンスクエア堺 第1会議室
    JR阪和線「堺市駅」から西へ300 m(地図はこちら)
    TEL 072-222-3561(代)
  • 講師:薬師院 仁志さん(帝塚山学院大学教授)
  • 参加費:無料
  • 主催:自由と自治・進歩と革新をめざす堺市民の会(堺市民懇)
    〒590-0021堺市堺区北三国ヶ丘町1-2-29 堺市教育会館内
    TEL 072-221-1717 FAX 072-223-6115