2013年11月30日土曜日

大阪憲法会議・共同センターが「秘密保護法案反対緊急速報」を連日発行


 知る権利を奪い監視社会をつくる特定秘密保護法案の廃案に向けて、大阪憲法会議・共同センターが「秘密保護法案反対緊急速報」を連日発行し、大阪府下での取り組み、緊急の行動提起、宣伝行動の報告などを掲載しています。同センターのウェブページでご覧になれるほか、PDF版をダウンロードすることもできます(上掲のイメージは、2013年11月28日付けNo. 13のPDF版)。法案反対の運動に活用しましょう。

多幡記

2013年11月29日金曜日

「秘密国家へ道、廃案に」分野超え、ノーベル賞学者ら会結成し声明発表


 衆院で採決が強行された特定秘密保護法案の成立を阻むため、学者らが分野を超えて決起しました。2人のノーベル賞受賞者を含む31人が「特定秘密保護法案に反対する学者の会」を結成し、「法案は憲法の基本的人権と平和主義を脅かす立法で、直ちに廃案とすべきだ」との声明を11月28日に発表しました。

 メンバーには、ノーベル物理学賞の益川敏英・名古屋大特別教授、化学賞の白川英樹・筑波大名誉教授のほか、法学、経済学、哲学などの著名学者らが名を連ねています。インターネット(こちら)を通じ、300人以上の学者が賛同の意思を示しており、さらに増える見込みです。

 声明は「知る権利や国政調査権が制限され、表現や学問の自由が侵害される恐れがある」と指摘し、「市民の目と耳をふさぎ、『秘密国家』『軍事国家』への道を開く」と廃案を求めています。衆院で採決強行の末に法案を通過させた自民党の姿勢にも「戦争へと突き進んだ戦前の政府をほうふつとさせる」と抗議しています(声明全文はこちら)。

 (以上、東京新聞の記事の一部を参考にし、上記「学者の会」のウェブページを調べて、リンクを追加しました。ほかに、毎日新聞朝日新聞しんぶん赤旗なども報じています。)

多幡記

2013年11月28日木曜日

機密は「科学の精神」に反する:益川敏英さんが朝日紙の連載記事で


 ノーベル物理学賞受賞者の益川敏英さんが、2013年11月28日付け『朝日新聞』の連載特集記事「異議あり 特定秘密保護法案」に登場し、「特定秘密保護法案は何が秘密なのか国民に知らせないまま、なんでも秘密にしようとする点が気になります。国の情報は公開が大前提。秘密にするなら丁寧な説明が欠かせません。意見が割れている状況で法律を作らず、国民の納得を得てからにすべきです。衆院を強引に通過させたのは暴挙です」と語っています。

 益川さんはまた、「1960年代、人工頭脳に関する研究がありました。それにかかわる資料を回し読みしていましたが、突然、関連する論文が発表されなくなりました。原子力潜水艦のソナー(水中音波探知機)に関する技術に役立つ、として機密になったと聞きました」という例を挙げ、このような秘密主義は、「社会に広く知ってもらい、さらに発展させるという『科学の精神』に逆行するもの」と指摘しています。

 さらに、茨城県東海村で起きた臨界事故(99年)でも、ただ単に「安全だ、安全だ」と言い過ぎたことがとんでもない結果を招いたとして、「何かを秘密にすることより、みんなの目に触れるようにすることこそ、安全をもたらします」と述べ、「この法案は取り下げるべきです。ばんそうこうを貼るように手直ししても必ず隙間ができ、そこからおかしな結果につながっていきます」主張しています。(記事原文はこちら。上掲のイメージは、「Stop! 秘密保護法 共同行動」リーフレットの表紙)

(文責・多幡)

2013年11月27日水曜日

秘密保護法案、強行採決で衆院通過:反対の声をさらに強く!


 自民党、公明党、みんなの党、日本維新の会の4党が提出した特定秘密保護法案の修正案が、11月26日夜の衆院本会議で、自公とみんなの賛成多数で可決されました。前日の衆院特別委の地方公聴会で意見陳述者が全員反対の立場を取り、また、修正案の審議もわずか2時間という短さだったにもかかわらず、採決は強行され、法案は参院に送られました。この強行採決に対して、各界から抗議声明が発表されています(こちら参照)。

 今国会の最終日、12月6日に東京では「『秘密保護法』廃案へ! 12.6 大集会」が開催されます(詳細はこちら)。安全保障と情報の権利に関する国際基準から大きく逸脱しているとして海外からも非難ごうごうのこの法案に対し、私たちの反対する声を、いろいろなところから政府と国会にさらに強くぶつけましょう!

多幡記

2013年11月25日月曜日

充実していた第5回全国交流・討論集会:「九条の会」メルマガ第177号


 「九条の会」メルマガ第177号(2013年11月25日付け)が発行されました。詳細はこちらでご覧になれます。運動に活用しましょう。

 「事務局からのお知らせ」として次の記事などがあります。
他にも多くの記事が掲載されています。以下に、編集後記を引用して紹介します。
編集後記~第5回全国交流・討論集会、ご協力、ありがとうございました

 呼びかけ人やシンポジウムのパネリストの方々をはじめ、全国各地からの「九条の会」の皆さん600名とスタッフのみなさんのご協力で、大変充実した集会となりました。国家安全保障会議設置法や特定秘密保護法が国会で審議中という緊迫した情勢の中で、それぞれの発言が改憲を許さない確固たる決意に満ち満ちていました。以下、マスコミの報道です。集会の詳細な内容は後日作成予定のDVDや報告集でご覧下さい。

 (「九条の会」メルマガ読者登録はこちらでできます。)

2013年11月24日日曜日

国民の「知る義務」邪魔する:朝日紙「異議あり 特定秘密保護法案」連載記事で樋口陽一さん


 『朝日新聞』の連載「異議あり 特定秘密保護法案」の3回目(11月24日付け)に、東京大名誉教授で96条の会代表の樋口陽一さんが登場し、「3・11の原発災害で私たちは『原発は安全』という神話にだまされていたことを知った。今後、政府のうそにだまされず、主権者として公のことがらの基本を動かし、未来への責任を果たすため、国民には問題の所在を『知る義務』がある。それを邪魔するのが、今回の特定秘密保護法案」と語っています。

 これに先立つ氏の冒頭の言葉には、「敗戦後の焼け野原の中、『私はだまされていた』と告白した高名な作家がいました。国民主権の憲法となり、国民自身が政治を動かす立場にある今こそ、私たちには『だまされない責任』があると言いたい」ともあります。この言葉は、いま、私たちがこぞって、危険な特定秘密保護法案に反対しなければならないという、氏の痛切な思いを表したものではないでしょうか。

多幡記

2013年11月22日金曜日

朝日紙が「異議あり~特定秘密保護法案」の連載を始める


 朝日新聞は、「秘密ばかりで息苦しい社会になってしまうのでは? 特定秘密保護法案への反対が広がっています」(同紙デジタルヘッドラインの通知メールから)として、2013年11月22日から、各界で活躍する人たちの異議申し立ての声を聞くシリーズ「異議あり-特定秘密保護法案」を朝刊に掲載し始めました。

 初回は、作家の落合恵子さんで、「テロ対策を名目に原発に関する情報はますます出なくなる」、「一人ひとりが多様で正確な情報に基づき判断するという民主主義の基礎が壊れてしまう。私たち一人ひとりの問題」、「政治が取り組むべきは、秘密保護ではなく情報公開」、「法案の修正ではなく、廃案しかありません」などと語っています。まったくその通りだと思います。

多幡記

2013年11月21日木曜日

12/5 映画『ひまわり ~沖縄は忘れない あの日の空を~』堺で上映


 1959年6月30日、炎上する米軍戦闘機が宮森小学校に墜落、死者17名(学童11名)、重軽傷者210名。2004年8月13日、米軍の大型ヘリが沖縄国際大学に墜落、夏休み中だったので大惨事を免れました。いま、オスプレイ配備に揺れる沖縄、日本の平和とは何かを問いかける映画『ひまわり ~沖縄は忘れない あの日の空を~』が下記の通り上映されます。
  • 日 時:2013年12月5日(木)、(1) 10:30、(2) 14:00、(3) 18:30
  • 料 金:一般 1200 円、シニアと高校生以下 1000 円
    当日券はありませんので、チケットを前もって購入して下さい。
    堺市民懇(TEL 072-221-1717)で取り扱っています。
  • 場 所:サンスクエア堺B棟ホール
  • 主催・問合せ先:映画『ひまわり』大阪上映普及委員会事務局
        TEL 06-6719-2333/06-6719-5225

(文責・多幡)
 

2013年11月20日水曜日

11/24 大阪で「原発・エネルギー・地域経済研究会」発足記念講演会:「原発問題を福島事故の出発点から考える」


 自然・社会科学者として、また政治家として長年活動をされた吉井英勝氏の経験とつながりをもとに、各方面で活躍の研究者の成果を重ね合わせながら、現在日本のかかえる重要な課題、原発・エネルギーのありかた・原発立地地域の経済の進む方向などを検討・研究し、その成果を社会に還元する…、そんな研究会が立ち上げられます。表記の講演会は、そのスタートの会です。関心をお持ちのみなさま、ぜひご参加ください。

  • 日 時:2013年11月24日(日)13:30~17:00
  • 会 場:大阪民医連ホール
      地下鉄堺筋線・中央線「本町駅」創建本町ビル
      (地図はこちら
  • 参加費:資料代500円
  • 内 容:
    • 記念講演
      1. 「福島原発事故を記憶する:関西への避難者の声から原発再稼働を考える」
          大阪市立大学教授 除本理史
      2. 「福島第一原発事故の検証と新規制基準を考える」
          原発・エネルギー・地域経済研究会
          (準備会)代表 吉井英勝
    • 質疑・意見交換
  • 主 催:原発・エネルギー・地域経済研究会
      (吉井研究会準備会)
      (準備事務局)大阪市都島区都島北通Ⅰ-4-10
      NGOおおさか市民ネットワーク内
      TEL 06-6921-5271、FAX 06-6921-5272、
      email: osakasimin-net@sannet.ne.jp

(文責・多幡)

2013年11月18日月曜日

全国革新懇交流会 in 大阪、盛会裡に終わる:秘密保護法廃案めざす特別決議を採択


 「激突の情勢 政治を変える新しい共同を」をスローガンに掲げた全国革新懇の「地域・職場・青年革新懇全国交流会」が11月16、17日、堺市と大阪市内で開催されました。

 16日に堺市民会館で行なわれた革新懇全国交流会には、「自共対決」の政治情勢や一点共闘の広がりを受けて、過去最高の約1700人が参加し、草の根からの取り組みを元気に明るく交流しました。また、「希代の悪法、秘密保護法案を必ず廃案に追い込もう。直ちに声をあげ、行動を強めよう」との特別決議を採択しました。

 17日には、大阪市内で12の分散会・交流会・分科会を開いて交流しました。憲法学習交流会では小林武沖縄大学客員教授、石川康宏神戸女学院大学教授が講演しました。また、ヒロシマ革新懇の代表が、憲法や原発、オスプレイ、秘密保護法案などで一点共闘の要になっていると報告しました。

 詳しくは『しんぶん赤旗』の17日付けの記事18日付けの記事をご覧下さい。

多幡記

2013年11月17日日曜日

九条の会第5回全国交流・討論集会が盛会


 九条の会第5回全国交流・討論集会が11月16日、東京・千代田区の日本教育会館で開催されました。安倍政権が、海外で戦争するための集団的自衛権行使に向けた解釈改憲や秘密保護法案など「戦争できる」国づくりの動きを強めるなか、全国各地で活動する分野別や県・地域の「九条の会」の代表ら約600人が参加し、熱心に意見が交わされました。

 集会では「九条の会」呼びかけ人の大江健三郎(作家)、奥平康弘(憲法研究者)、澤地久枝(作家)各氏があいさつしました。大江氏は「原発をなくすこと、憲法を守ることは、次の世代が生きていける世界を渡すこと。絶対に守らなければいけない」と語りました。

 奥平氏は「秘密保護法案は憲法9条改正と直結している。われわれは踏ん張ってなきものにしなければならない」と発言し、澤地氏は、秘密保護法案強行の動きを批判しました。

 全体会や分科会では、全国の自治体首長と経験者に緊急アピールを発した「首長の会」や、紙芝居で自民党の改憲案を批判している東京の法律事務所の活動など、憲法を守る運動や秘密保護法案に反対する豊かなとりくみについて、交流が行なわれました。

 以上、17日付け『しんぶん赤旗』の記事を参考にしました。同記事はさらに、「集団的自衛権行使容認と憲法」をテーマに、浦田一郎・明治大学教授と柳沢協二・元内閣官房副長官補をパネリストにして行なわれたシンポジウムについても、詳しく報じています。時事通信も、「九条の会『秘密保護法案廃案に』—『憲法が形骸化』と反対する声」という意味の見出し(原題名には、閉じるカッコが一つ脱落しています)で、同集会の簡単なニュースを配信しています。

多幡記

2013年11月16日土曜日

12/1 戦争はイヤ!御堂筋パレード


 臨時国会最終盤に向け大阪府民共同の、表記大集会が開催されます。

  • 日 時:12月1日(日)午後1時30分集会開始、2時15分パレード出発
  • 場 所:中之島・女性像前に集合、パレードは難波まで
  • 呼びかけ団体:大阪憲法会議、おおさか女性9条の会、大阪宗教者9条ネットワーク、憲法9条の会・関西、憲法を生かす会・大阪、護憲・大阪の会、しないさせない!戦争協力関西ネットワーク、とめよう改憲!おおさかネットワーク、大阪弁護士9条の会

上掲のチラシはクリックすると拡大版が出ます。

(文責・多幡)

2013年11月15日金曜日

11/25 堺からつぶせ「秘密保護法案」! 緊急市民集会:堺市民会館で


 表記の集会が、2013年11月25日(月)午後6時30分から、堺市民会館大集会室で開催されます。詳細は上掲のチラシをクリック・拡大してご覧下さい。

 なお、チラシには、12月1日(日)に行なわれる「9条守れ! 憲法いかそう! 戦争はいや! 御堂筋パレード」の案内ものっています。

(文責・多幡)

2013年11月14日木曜日

日本科学者会議が「国家安全保障会議設置法案」と「特定秘密保護法案」を批判する声明


 日本科学者会議(事務局長・米田貢中央大学教授)は11月11日、国家安全保障会議(日本版NSC)設置法案と秘密保護法案の上程を批判し、その廃案を求める事務局長声明を発表しました。

 声明は、「特定秘密保護」が狭義の安全保障・軍事問題にとどまることなく、宇宙、原子力、病原体をはじめ、さまざまな分野で「国民に開かれた自主的で民主的な教育研究の展開が支障をきたす」と問題点をあげています。

 また、両法案は国民の知る権利を奪い、国会の機能を損ね、内閣の暴走に対して主権者や立法・司法機関が歯止めをかけられなくするもので、「憲法の原理と相容れない」と指摘し、日本が米国の戦争に参戦したり、近隣諸国と軍事力で対決する事態が、現実の懸念となるとしています。

 さらに「安全保障政策は科学的検討・批判が許されなくなることを意味する。これは、近代国家として許されない」と述べ、平和で持続可能な社会の構築をめざず学会として、両法案を厳しく批判し、廃案を求めています。

 以上、11月14日付け『しんぶん赤旗』の記事を参考にしました。なお、上記声明の全文はこちらで見ることができます。

(文責・多幡)

11/17 大阪で全国青年革新懇交流会


 表記の集会が、11月17日(日)午前、大阪の「住まい情報センター」で開催されます。また、その前夜には、堺市のサンスクエア堺で、「さかいナイト:青年革新懇・軽食と交流」が行なわれます。詳細は上掲のチラシをクリック・拡大してご覧下さい。

(文責・多幡)

2013年11月13日水曜日

11/10 本会主催学習会の「まとめと閉会の言葉」

 さる11月10日(日)、堺市西区の野田会館において、私たち福泉・鳳地域「憲法9条の会」の主催で開催した学習会「オスプレイが配備された沖縄から 日本の平和を考える——憲法9条を守り広げましょう——」において上田事務局長が述べた、「まとめと閉会の言葉」を以下に掲載します。(こちらに学習会の記録写真と同会の諸報告へのリンクを掲載。)


「まとめと閉会の言葉」を述べる上田事務局長
 伊波さん、きょうはどうもありがとうございました。昨日は大阪市内のドーンセンターで琉球舞踊と伊波さんの講演があり、大阪に来られるならぜひ私たちの9条の会でも講演してほしいとお願いして来ていただきました。日本で一番米軍基地が集中している沖縄、基地あるがゆえに多くの被害を受け、人間として一番大切な人権や人間の尊厳さえ守られない実態を聞き、沖縄の問題は日本の問題であり、私たち一人ひとりが考えなければならないと、改めて思いました。来年1月には、普天間基地移設先とされている名護市の市長選があり、なんとしても「基地ノー」を貫く稲嶺市長が再選されるよう、私たちも応援したいと思います。

 10月14日に「9条世界会議」が大阪市内で開かれました。その中で、「日本国憲法9条は、アジア民衆の安全保障になっている」という声や、軍事大国アメリカの中からも、日本の憲法9条は世界の宝であり、変えないで堅持してほしいとの声が紹介されました。カナダ在住でバンクーバー9条の会の世話人・乗松聡子さんは、「憲法9条を守ることと同じくらい日米安保条約廃棄をいうことが大切だ」と強調されていましたが、日米安保条約がある限り日本に基地があり、それが戦争の脅威に結びついていると思います。

 私たちの福泉・鳳地域「憲法9条の会」は、二度と戦争を起こさないように平和な世の中を子どもや孫たちに残していきたい、そのためには、かなめである憲法9条を守り広げていこうと、思想信条の違いを越えて、この一点で集まり、活動しています。今年で結成7年目に入りますが、14人の世話人がいます。毎月、1回の世話人会議をもち、9の日前後に宣伝と署名活動に取り組んで来ました。地域を一軒一軒訪問し対話する中で、9条を守る大切さを訴え、署名してもらっています。「自分は保守や」という人や、安倍首相のファンだという人からも、戦争反対という共通する一点で署名をしてもらいました。10月には78回目の署名行動をして、いままでに合計3111筆の署名が集まりました。堺市全体では13万を超える署名が集まっています。

 改憲派の安倍政権は、国民に何が秘密かも知らせないまま、公務員がそれをもらしたり、国民が知ろうとすれば重罰に科されることにもなる「秘密保護法案」を国会に提出しました。朝日や毎日などの大手新聞も、この秘密保護法案は国民の知る権利を奪い、日本を戦前のような暗黒社会に変えるもので、廃棄しかないと論陣を張っています。この法案が通れば、私たちに経過が明らかにされないまま戦争に突入する恐れや、自衛隊の海外派兵活動が隠され、アメリカと一緒に海外で「戦争する国」になる恐れがあります。いま、弁護士会ほかいろいろなところから悪法を通すな、廃棄しよう、という声が急速に広がっています。私たち9条の会も、戦争につながる動きには断固反対し、皆さんとともに改憲反対の大きな流れをつくっていきたいと思います。皆さん、きょうは、ありがとうございました。

2013年11月12日火曜日

元宜野湾市長・伊波洋一さんを招いての本会主催学習会(11/10)写真集

 さる11月10日(日)、堺市西区の野田会館において、私たち福泉・鳳地域「憲法9条の会」の主催で開催した学習会「オスプレイが配備された沖縄から 日本の平和を考える——憲法9条を守り広げましょう——」は、皆さんのご協力で盛会となり、成功裏に終了しました。学習会の様子を伝える写真を以下に掲載します。


谷本世話人の司会で始まる。


多幡代表の開会挨拶(挨拶文はこちら)。


今上世話人の伴奏と同世話人の娘さんのリードで、
歌「花」と「青い空は」を全員で力強く合唱。


元宜野湾市長・伊波洋一さんの「お話」
(内容の簡単な紹介はこちら)。


伊波さんの「お話」に聞き入る会場一杯の参加者たち。


上田事務局長の「まとめと閉会の言葉」
(「まとめと閉会の言葉」の内容は、後日掲載予定)。

 なお、皆さんから当日いただいたご感想なども、いずれ機関紙『憲法九条だより』と本ブログサイトで報告する予定です(本学習会関係の掲載予定記事ができ上がりましたら、本記事の「追記」中にリンクしてお知らせします)。

追 記

 上田事務局長による学習会の「まとめと閉会の言葉」をこちらに掲載しました。(11月13日)


(本記事の写真は上田孝さんによる。編集は多幡)

11/16 緊急開催特定秘密保護法案学習会(大阪・守口)


 国民の基本的人権である「知る権利」を侵害し、「基本的人権」を抑圧する「特定秘密保護法(案)」に関する危険性を、ひろく市民社会にアピールし、法案成立を押留めることを目的として、表記の学習会が下記の要領で開催されます。

  • 日 時:11月16日(土)14:00〜17:00
  • 場 所:守口市教育文化会館(地下鉄谷町線守口市駅4号出口上がってすぐ;アクセス案内はこちら
  • レクチャー:いちからわかる特定秘密保護法案(仮)
  • 講 師:三木由希子さん(情報公開クリアリングハウス理事長)
  • その他の内容:ディスカッション、行動提案など
  • 参加費:資料代 300円+運営費用相応額(カンパ)
  • 主 催:知る権利ネットワーク関西(ホームページはこちら
  • 連絡先:知る権利ネットワーク関西事務局 TEL 090-5045-5133

(文責・多幡)

いまこそ安倍政権の戦争する国づくりの野望を打ち砕くチャンス:11/10 本会学習会での開会挨拶


 本会が11月10日に開催した学習会での、講師・伊波洋一さんの話のごく概略は、先のブログ記事に掲載しましたが、以下には、同学習会冒頭での、本会代表・多幡達夫の開会挨拶の全文を掲載します。
 皆さん、こんにちは。あやしげな天候のもと、大勢お集りいただき、ありがとうございます。

 私たちの福泉・鳳地域「憲法9条の会」は、2006年に発足し、日本は国際紛争の解決に武力を使わないとしている憲法9条を、守り活かそうという活動を続けています。

 その一環として、毎年1回、講演会あるいは学習会を行なってきました。きょうは、今年のそういう催しとして、米軍普天間基地を抱える宜野湾市の元市長・伊波洋一さんをお招きして開催することになりました。

 昨年11月の衆議院選挙で第一党に返り咲いた自民党を中心とする安倍政権は、いま、おごりたかぶって、日本を「海外で戦争する国」にする政策を次々に押し進めようとする暴走を始めています。

 アメリカとともに海外で戦争するための「司令塔」をつくる国家安全保障会議(いわゆる日本版 NSC)設置法案や、国民の目、耳、口をふさぎ、憲法の基本原則をくつがえす「秘密保護法案」を国会に提案していることが、暴走の具体的な内容です。

 安倍政権は、さらに、従来の内閣の憲法解釈を変えて、自衛隊が米軍とともに海外で戦えるように、集団的自衛権行使を認めようとする動きも示しており、また、基本的人権の永久不可侵を削除したり、国防軍を明記したりする憲法改悪までも企てています。

 このようなニュースを見聞きするにつけ、私たちはとても暗い気持にさせられます。しかし、よく考えてみますと、これほど極端な暴走は、多くの国民の目に危険だと映るはずであり、いまこそが、安倍政権の戦争する国づくりの野望を、徹底的に打ち砕くチャンスなのではないでしょうか。

 昨年の本会の学習会の開会挨拶で、私は、日本がアメリカとの軍事協力を深めれば、わが国の安全にとって全く逆効果でしかなく、日米安全保障条約、略称「安保」があるために、日本は不必要な戦争の準備をしているのではないか、憲法9条を忠実に守り生かすことこそが真の防衛力であると思われてならない、という意味のことを申しました。

 この思いは、沖縄の米軍基地問題や危険きわまりない輸送機オスプレイの配備、そして、米兵による暴行事件などなどに、身をもって接して来られた伊波さんの思いとも共通するものではないかと存じます。

 きょうの学習会が、平和を願う私たちの意思と行動を、いっそう大きく広げて行く一助となれば幸いです。

 以上、開会の挨拶といたします。

2013年11月11日月曜日

本会主催学習会(11/10)盛会:元宜野湾市長・伊波洋一さんを招いて


 昨11月10日(日)、堺市西区の野田会館において、私たち福泉・鳳地域「憲法9条の会」の主催で、学習会「オスプレイが配備された沖縄から 日本の平和を考える——憲法9条を守り広げましょう——」を開催しました。定員約100名の会場がほぼ満席になる盛会でした。近日中に写真入りの報告記事を掲載する予定ですが、以下に簡単な速報を記します。

 講師の元宜野湾市長・伊波洋一さんは、1945年3月末からの沖縄戦や、その直後から米軍が住民を捕虜収容所に入れて基地を建設し始めた歴史から分りやすく説明しました。講演の中では、沖縄の住民の声を無視してもっぱら米軍の行動を支持する政府の姿勢が明らかにされ、2012年1〜2月に行なわれた日米共同軍事演習「ヤマサクラ61」(コンピュータを駆使するシミュレーション作戦)とは、中国・北朝鮮合同軍を日米軍が近畿地方で迎え撃つという、とんでもない仮定にもとづいたものであることも教えられました。

 伊波さんはさらに、『琉球新報』紙が昨朝報じたばかりの「米政府は1972年に在沖縄海兵隊撤退を検討したが、日本が慰留した」との、オーストラリア外務省公文書で明らかになったニュース(こちらでご覧になれます)も含めて、予定時間を超え熱心に話しました。参加者たちの間からは、しばしば驚きや納得を表明する声が聞かれ、一同は沖縄の基地問題が日本全体の平和の問題であることを強く納得しました。

(多幡記)

2013年11月10日日曜日

国家安全保障会議設置法案と秘密保護法案の廃案をめざし力を尽くしましょう:「九条の会」メルマガ第176号


 「九条の会」メルマガ第176号(2013年11月10日付け)が発行されました。詳細はこちらでご覧になれます。運動に活用しましょう。

 「事務局からのお知らせ」として次の記事などがあります。
他にも多くの記事が掲載されています。以下に、編集後記を引用して紹介します。
編集後記~国家安全保障会議設置法が衆議院本会議で強行採決。秘密保護法も衆院特別委員会で審議開始

 11月7日、安倍政権は極めて短期間の審議で国家安保会議設置法を衆議院本会議で強行採決し、同時に、特定秘密保護法の衆院特別委員会での審議入りをしました。この2つの法案は安倍政権によって、集団的自衛権の行使に向けた不可欠の法案に位置づけられています。過日発表した九条の会アピールは「戦争する国」に向けた集団的自衛権の行使に反対するよう呼びかけています。いよいよ正念場です。この2つの法案の廃案をめざして、草の根から世論をもりあげるために、お互いに力を尽くしたいと思います。

 なお、「九条の会」メルマガ読者登録はこちらでできます。

大阪革新懇ブックレット『大阪・堺の革新的先人たち』


 進歩と革新をめざす大阪の会(大阪革新懇)がブックレット『大阪・堺の革新的先人たち』を作成しました。このブックレットは、11月16日に堺市民会館で行なわれる全国革新懇交流集会の会場で販売されます。

 大阪・堺にゆかりのある革新的先人たち、与謝野晶子、菅野須賀子、中江兆民、福沢諭吉、幸徳秋水、山片蟠桃、緒方洪庵などが紹介されています。1冊 300 円です。

(文責・多幡)

2013年11月9日土曜日

11/16、17 全国革新懇交流集会 in 大阪


 表記の集会が、11月16日(土)に堺市民会館で、17日(日)にエルおおさかで、開催されます。詳細は上掲のチラシをクリック・拡大してご覧下さい。

(文責・多幡)

2013年11月8日金曜日

11/12 秘密保護法反対デモ(大阪)のお知らせ


 大阪弁護士会主催の秘密保護法案反対デモ行進が下記の通り行なわれます。

  • 日 時:3013年11月12日(火)12時~13時(11時30分集合)
  • 集合場所:大阪弁護士会館1階ロビー(所在地:大阪市北区西天満1丁目12-5、地図はこちら
  • コース:大阪弁護士会館東南側 → 旧天満警察南側を西へ → 法務局西側を北へ → 西天満交差点を西へ → 梅新交差点を南へ → 大阪市役所南側(ゴール・解散)
  • 問合せ:Tel 06-6364-1227(大阪弁護士会委員会部人権課)

主催者の言葉

2013年(平成25年)11月1日
各 位
大阪弁護士会          
会長    福原 哲晃 
同 秘密保全法制対策大阪本部  
本部長代行 大江 洋一 

   秘密保護法案に反対するデモ行進への参加のお願い

 政府は、今秋の臨時国会に秘密保護法案を国会に提出し、成立させようとしています。
 しかし、秘密保護法案は、政府の情報を公開させるという方向性に反するだけでなく、特定秘密の範囲が極めて広範で、政府の持つほとんどの情報が秘密として不当に隠される危険性があります。現時点で41万件もの情報が秘密の対象となり、原発情報も含まれることは政府も認めています。
 情報を管理する担当者とその周辺の人々のプライバシー侵害も、公務員だけでなく民間事業者にも及びます。
 処罰の上限は懲役10年及び罰金1000万円に及ぶ上に、共謀・教唆・扇動はそれだけで処罰されるなど、処罰範囲も広範です。
 さらに、違法な秘密に対する取材や報道も処罰対象となるおそれがあり、取材や報道が委縮することにより、私たちの知る権利が侵害されます。
 そこで、大阪弁護士会では、秘密保護法案に強く反対するため、上記要領によるデモ行進を企画いたしました。
 秘密保護法案の成立に反対する強い意思をアピールする重大な機会です。ぜひ多数の皆さまのご参加をお願いします。

 (原文とファックスによる参加申し込み様式はこちら

(文責・多幡)

2013年11月7日木曜日

活用しましょう! 秘密保護法リーフレット


 『「何が秘密?それは秘密」法(秘密保護法案)に反対するネットワーク』(略称・秘密法反対ネット)作成の、とても分りやすい「秘密保護法リーフレット」(880.8 KB、PDFファイル、全2ページ)が、『STOP!「秘密保護法」』のウェブページからダウンロードできます。この悪法案打破のため、緊急に活用しましょう。(上掲のイメージは、同リーフレット第1ページ。)

多幡記

11/10、11/15 大阪での秘密保護法反対の緊急集会


「何が秘密?それは秘密」
特定秘密保護法を廃案に! 緊急集会

  • 日 時:11月10日(日)13:30~16:30
  • 場 所:AP大阪4階南Bルーム (京阪淀屋橋ビル、淀屋橋から3分、地図はこちら
  • 参加費:500円
  • 講 演:岩本勲さん (大阪産業大学名誉教授、政治学)「秘密保護法の危険」
  • 報 告:「秘密保護法案」批判/「戦争司令塔=日本版NSC」他
  • 主 催:リブ・イン・ピース☆9+25
  • 案内文やチラシはこちら


何が秘密?それは秘密
「秘密保護法案11.15緊急集会」

  • 日 時:11月15日(金)18:30~
  • 場 所:エルおおさか南館5階ホール (地図はこちら
  • 主 催:全大阪労働組合総連合(大阪労連)、関西マスコミ文化情報労組会議(関西MIC)、自由法曹団大阪支部、民主法律協会、国民救援会大阪府本部

 主催者からの呼びかけ文
 平和と民主主義、憲法擁護のたたかいに力を尽くされている、すべての団体、個人のみなさんへ
 安倍政権2期目の暴走は、私たち多くの国民に不安と危惧を与えています。
 憲法9条の改悪をめざし、まさにこの国日本を戦争のできる国へと転換することを目論見つつ、なし崩し的な解釈改憲、集団的自衛権の行使への道を突き進もうとしています。
 この安倍内閣の企みを象徴する法案が、今国会に上程されていることは、みなさんよくご存じのとおりです。
 「特定秘密保護法」、戦前の「軍機保護法」を思い起こさせるこの法律の内容が日ごとに明らかになり、反対の声があちらこちらに広がり始めています。
 「秘密」は戦争の始まりと奇しくも言われるように、安倍政権の狙いは明らかです。
まず何が特別秘密に当たるのかが明らかにされない、さらには秘密を扱う人物の適格性を調査するという名目で公務員、民間人を問わずに身辺調査が行われる、またあいまいで無限定な秘密指定により、知らず知らずに情報に接したものが処罰の対象になることに、しかも最高刑は10年。
 まさに政府に都合の悪い情報は隠し、国民の眼・耳・口をふさぐという意図を持ったこんな法律はいらないと、各団体や心ある個人のみなさんの行動も各地で起きています。
 そこで、大阪においても一刻も早く府的に法案の危険な内容を明らかにし、一致した行動の提起を行う場をとの要望に対して、とりあえず5団体を呼びかけ団体として別紙チラシの通り、緊急集会を予定いたしました。
 事態は緊急を要します。
 傘下団体等などに縦横に広げていただき、法案成立阻止に向けご尽力いただきますよう、なにとぞよろしくお願いいたします。
(文責・多幡)

2013年11月4日月曜日

2013年 日本平和大会 in 岩国:11/15〜17


 「憲法いかし、平和なアジアを—基地も軍事同盟もない日本へ」をテーマに、2013年日本平和大会が11月15日から17日まで岩国で開催されます。詳細は平和大会ホームページ(上掲のイメージは同ホームページ上部の画像)と、そこからダウンロードできるチラシや開催要項をご覧下さい。

(文責・多幡)

2013年11月3日日曜日

『日本の科学者』11月号特集「安倍政権を問う—改憲と歴史認識」(3)


 前2回に続いて、日本科学者会議の論文誌『日本の科学者』2013年11月号特集「安倍政権を問う—改憲と歴史認識」の論文を、その要約を引用して紹介します。なお、同誌は書店あるいは発行元「本の泉社」の通販サイトで購入できます(税込み600円)。

 韓 冬雪「安倍政権の歴史認識と改憲問題──アジア諸国から見た安倍政権の危うさ」:アベノミクスを掲げて再登場した安倍政権は、政治的には危うさを秘めている。彼の政治理念は保守主義と民族主義にもとづいている。歴史認識では、近代日本の侵略の歴史を否定し、戦争責任を追及した東京裁判の意義を認めない。日本が加害国となった侵略戦争を否定したのでは、被害国であるアジア諸国や中国との信頼関係は構築されないであろう。

 宋 柱明(訳・金 美花)「参議院選挙後の右翼国家主義的政治地図──韓国の進歩的観点による分析と提言」:衆参両院で保守勢力が3分の2以上を占めたことを受け、自民党は軍事大国化に向かう国家主義戦略に拍車をかけるであろう。保守支持の社会的背景として生活の危機に瀕した青年層の自発的「右翼化選択」という現象がみられる。これにたいし[筆者は本稿において、]日本の集団的経験にもとづく歴史認識をふまえた市民の「進化した民主主義」を求めた。(注:[ ]内は、分りやすくするため、引用者が挿入。)

 小林義久「オバマ政権と歴史認識問題──安倍政権をどう評価しているか」:安倍政権下で歴史認識問題が再燃している。「戦後レジーム」からの脱却を掲げ、日本国憲法改正を目指す安倍政権の集団的自衛権容認に向けた憲法解釈見直しや靖国神社参拝などの動きに中国、韓国が反発しているためだ。オバマ米政権も安倍政権が国家主義的な傾向を強めれば、東アジアの安全保障体制だけでなく、第2次世界大戦後の国際秩序を揺るがしかねないと警戒し始めた。

 以上で、『日本の科学者』11月号特集論文の紹介は終わりです。

(文責・多幡)

2013年11月2日土曜日

『日本の科学者』11月号特集「安倍政権を問う—改憲と歴史認識」(2)


 前回に続いて、日本科学者会議の論文誌『日本の科学者』2013年11月号特集「安倍政権を問う—改憲と歴史認識」の論文を、その要約を引用して紹介します。なお、同誌は書店あるいは発行元「本の泉社」の通販サイトで購入できます(税込み600円)。

 石田勇治「悪しき過去との取り組み──戦後ドイツの『過去の克服』と日本」:過去の戦争と植民地支配に起因する「歴史問題」がいまだに近隣諸国との関係に重くのしかかる現在の日本は、かつての同盟国ドイツの戦後史から何を学ぶことができるだろうか。第二次大戦を首謀し、ホロコーストを実行したドイツは、戦後、いかにして失った国際的信用を取り戻したのだろうか。本稿は、ドイツの悪しき過去との取り組みを中心に、日独の戦後を分ける諸要因を検討する。

 中塚 明「『明治の戦争』と日本人の記憶」:われわれは明治以後の歴史を見るとき、「明るい明治」vs「暗い昭和(前半)」として見ていないか。日清戦争・日露戦争を「防衛戦争」として「明治の栄光」を讃える言説が、日本人の歴史認識をどれほど歪めているか——そのことを考える。

 残りの論文の要約は、次回に掲載の予定です。

(文責・多幡)

2013年11月1日金曜日

『日本の科学者』11月号特集「安倍政権を問う—改憲と歴史認識」(1)


 日本科学者会議の論文誌『日本の科学者』2013年11月号が、「安倍政権を問う—改憲と歴史認識」と題する特集を組み、7編の論文を掲載しています。以下に、それらの論文の要約を引用して紹介します。なお、同誌は書店あるいは発行元「本の泉社」の通販サイトで購入できます(税込み600円)。

 大藤紀子「歴史と担い手を欠いた憲法」:2012年に提示された自民党の「日本国憲法改正草案」は、ありうる憲法のヴァリエーションの一つという意味での憲法の改変や、憲法の提示する世界観、憲法の有する性質の変更の提案にとどまるものではない。社会における憲法の位置づけを抜本的に変更し、それが具備すべき本来の機能を停止させるものである。本稿では、「改正草案」と日本国憲法との比較を通じて、かかる草案が描く憲法像を浮き彫りにしたい。

 古関彰一「自民党改憲案の歴史的文脈」:本稿は、憲法制定以降今日の安倍政権に至る改憲問題を歴史的に扱うとともに、日米安保条約の問題性をも考察するものである。憲法改正問題は、自衛隊の創設、自由民主党の結党を起点としている。しかし、60年代半ばに改憲の企図はいったん挫折したが、自民党は、戦争放棄条項の削除を中心に天皇制の強化、人権制限を一貫して改憲の柱としてきている。今日の改憲問題は、冷戦後の安全保障状況と一体化して、将来の日本の平和に問題を投げかけている。

 他の論文の要約は、次回以後に続いて掲載の予定です。

(文責・多幡)