2017年2月27日月曜日

3/10–3/20 小原一真 写真展「沈黙の歴史」(大阪)のご案内


 太平洋戦争における米軍の無差別爆撃は日本の本土に残る33万の人々を殺し、43万人を負傷させました。970万人にのぼる人びとと223万の家屋が被災し、日本の400以上の都市が致命的な損害を受けました。その途方もない被害の中で、当時6歳だったある女の子は左足を奪われました。生まれて2時間しか経過していない赤ちゃんの左足を焼夷弾の炎が襲いました。ある男の子は全身に火傷を負い、また、ある女の子は一瞬にして家族6人を失い孤児となっりました。
 戦後、日本は焼け野原から世界有数の経済大国に発展しました。その驚くべき成長は「東洋の奇跡」とまでいわれました。しかし、そんな輝かしい経済成長の影で、子どもたちは傷痕を見られないように、そのハンデによって人に迷惑をかけないように、一生懸命その痛みを隠しながら、ひっそりと生きてきました。
 長きに渡り、痛みの声さえあげることを許されなかった彼、彼女たちの沈黙の歴史を現在の写真と現存する当時の写真や戦時中のプロパガンダ雑誌、米軍のアーカイブなど多様な資料を用いて伝えます。
 (当展示は2016年4月にロンドンで開催された個展の巡回展となります。また "silent hisotiries" としてまとめられた写真集は米 TIME、英 Telegraph をはじめ、国外の様ざまな媒体で Best books 2015/16 に選ばれ、高い評価を得ました。)
  • 写真展期間:3月10日(金)~3月20日(月)13:00- 19:00
      (期間中無休)
  • 入場料:500円
  • 場所/問い合わせ:photo gallery Sai
       〒553-0002 大阪市福島区鷺洲2-7-19
       Tel & Fax: 06-6452-0479

関連イベント日程
  • 3月10日(金)オープニングトーク、
      19:00-20:00 参加費無料(写真展入場料のみ)
  • 3月11日(土)震災/原発事故関連トークイベント
      「溝を埋める」19:00--20:00 参加費 1,500円
  • 3月19日(日)大阪大空襲関連トーク、
      紙芝居読み聞かせイベント
      登壇者:安野輝子氏、小林英子氏(紙芝居)、藤原まり子氏(紙芝居)
      14:00–16:00 参加費 1,500円

写真家 小原一真(おばら かずま)プロフィール
 1985年、岩手県生まれ。フォトジャーナリスト。KEYSTONE(スイスフォトエージェンシー)パートナーフォトグラファー。ロンドン芸術大学院フォトジャーナリズム/ドキュメンタリーフォトグラフィー修士号。社会から見えにくい人々の存在を多面的なアプローチによって表現する。2011年3月の震災直後から写真家としての活動を開始。報道が規制される中、福島第一原発内部の写真を撮影した写真はヨーロッパを中心に幅広く紹介された。その後、原発作業員のポートレートを撮影し、2012年には写真集 "Reset Beyond Fukushima" がスイスのLars Muller Publisherから出版される。同時期にスイスのフォトエージェンシーKEYSTONEと契約。2014年には太平洋戦争下で空襲の犠牲者となった子どもたちのその後を追った "silent histories" を手製写真集として自費出版。同写真集は Paris Photo First photobook Award shortlist の他、米 TIME 紙、英 Telegraph 紙、Lens Culture など様ざまな媒体で BEST PHOTO BOOKS 2014 に選ばれる。同写真集は2015年11月に普及版としてメキシコの出版社 Editorial RM より出版された。2015年1月から London College of Communication MA Photojournalism and Documentary Photography で学びながら、ウクライナのチェルノブイリで長期プロジェクトに取り組む。ウクライナで行われたプロジェクト"Exposure" は世界報道写真賞 2016の "people" カテゴリーで1位を受賞。国内外での写真展、トークイベントを多数開催。写真は The Guardian, Courier international, ZEIT, El Mund, DAYS JAPAN など掲載多数。

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